ホタテ耳吊り養殖@八雲町

写真と資料提供: 岩村克詔八雲町長、漁業プロデューサーの舘岡志保さん

北海道の代表的水産物であるホタテは、浅海の砂底にもぐらずにくらし、魚のように自身で海中を泳ぎ回ることが少ない、生息している環境の変化による影響を受けやすく、自然環境で付着した稚貝の生存率も低いため、天然貝を漁り続けたら乱獲に陥るリスクが高かった。貴重な水産資源をいつまでも残れるように、八雲町は「育てる漁業」に力を注ぐ、垂下式養殖と呼ばれる方法が盛んに行われています。毎年5~6月頃、漁師たちは古い漁網などをタマネギ袋の中に入れて、採苗器として再利用し、海中に垂下して稚貝を採取しています。安全な環境で越冬したホタテの赤ちゃんが大きくなって、豊富な栄養分を取れるため、3~5月まで貝殻の耳に穴を開けて糸を通し、ロープに通したうえで複数のホタテを一気に海に吊る「耳吊り」作業が急ぎ足で進めます。この時期では沢山の働き手が必要で、漁期休みの漁師さんはもちろん、手伝ってみたい、働いてみたい方も遥々から八雲町にやってきて、「でめんさん」(漁期や農繁期のアルバイト)として活躍しています。

ホタテのまち・八雲町

八雲町は太平洋(噴火湾)と日本海の二つの海に面し、噴火湾側には2つの漁業協同組合があり、年間の漁獲金額は60億円ほどで、その内ホタテガイで7割以上を占める「ホタテのまち」であります。町の知名度の向上と主要産業の活性化を目指すため、町内有志は平成29年から「世界耳吊り選手権」を開催しています。「アゲピン部門」、「テグス部門」、「ループ部門」の3つの部門に分けて、制限時間内により多くホタテの稚貝をロープに括り付ける競技は、NHKでニュースにもなっていました。耳吊り、ホタテ釣りが体験できるコーナーや飲食店ブース、水産加工品販売、ゲームコーナー、ライブパフォーマンスが揃った一大イベントですが、今回の開催は中止となってしまいました。でも、町内の漁家は今年も乗り子と耳吊り要員を急募し、宿・食事は用意していますので、興味がある方はぜひ落部ブルーツーリズムの舘岡志保さんまでお問い合わせください。

漁業者と消費者を結び付く@利尻富士町

写真と資料提供: 鴛泊地区養殖昆布部会の神成誠副部会長

世界無形文化遺産へ登録された和食に欠かせない昆布は、銘柄によって味わいと使われ方も違います。利尻島産・礼文島産の「リシリコンブ」は味が濃く香り高い澄んだ上品なだしがとれるほか、千枚漬用としても広く使用されていますが、飲食店の休業などの影響で消費量と価格が落ちています。もっと昆布の魅力・素晴らしさを全国に広げ、昆布を使った料理を味わってほしいとの想いから、利尻富士町は鴛泊地区の養殖コンブ漁業者と全国の消費者を直接結び付ける「リシリコンブ株主(オーナー)事業」を始まりました。コンブ養成綱の1メートル分を1株とし、1万5000円で募集し、株主に収穫したコンブ(約15~20本)が届けられるほか、昆布干し作業が体験できる特典や、月1回程度コンブの生育状況や収穫状況の報告を受けられます。開始直後から応募が殺到し、予定の50株に対し、予定より2週間早く締め切った時点で100株以上の応募が集めました。鴛泊地区養殖昆布部会は申し込まれた方々の全てが株主になれる方法を検討していましたが、初年度事業で手探りしながらのスタートのため、抽選決定となり、次年度から株数増加できるように取り組んでいます。

漁師を育てる島・利尻島

高級昆布の産地として有名な利尻島は円形の独立火山島で、火山堆積物の土壌は雨水を通しやすく、栄養塩を含んだ水が海底に湧き出して、豊かな磯の恵みをもたらしています。長年にわたって経営する養殖コンブの水揚げ量は安定している一方、漁師の高齢化が進んでいます。危機感が持っている漁協は、Iターン漁師になることを望む研修生と、人柄と経営を見込んだ「親方」とのマッチングにし、国の就業支援制度とを活用して1年の研修を経て漁協に加入でき、ウニやコンブの漁業権も手に入れる仕組みをつくりました。外から若者を呼び込んだ利尻島は、漁業の活性化にも弾みがついています。

親しまれた公民館の思い出@石狩市

資料提供: 花川北1条1丁目SC町内会の伊藤浩樹前会長

35年にわたり、石狩市の生涯学習の拠点として市民に愛され、揺るぎない想い出が詰まっている石狩市公民館は、今月いっぱいで閉館します。昭和62年、旧石狩町立花川中学校は新しい校舎ができ、統合した新設花川中学校に移転する後、建物はそのままに石狩市公民館として再利用されました。市制施行の記念企画「いしかり歴史野外劇」など様々イベントの練習拠点になった公民館は、たくさんのサークルやアーティストの姿が見られ、熱いエネルギーにあふれていました。令和3年に事業内容・方法等に工夫を凝らし、地域住民の学習活動に大きく貢献している優良公民館として第73回優良公民館表彰を受賞しました。

学びの輪が広がるまち・石狩市

石狩のまちをもっと知る、生涯学習を活発にしようとするために、石狩市生涯学習講座企画ボランティアの会は平成16年から、自然や歴史などさまざまな観点から見つめる講座を企画し、30回を越えた開催実績が刻み、石狩管内教育実践奨励表彰(社会教育部門)も受賞しています。平成19年から、学びのスタンプ制度運営委員会は「石狩・学びのスタンプ」制度が始まり、これまで市内の団体等がそれぞれ開催していた講座の情報をまとめることで、より学びやすい環境を整えます。平成21年、市教育委員会と協働で、可能な限り市民に講師をお願いするなど、市民が互いに学び合い、教え合う環境づくりを目指す「いしかり市民カレッジ」が誕生しました。

北辰のキセキとは

北辰は北極星の雅称で、きびしい風雪に耐え抜いた先人の開拓者精神と、雄々しく伸びる北海道の未来のシンボルとして、明治時代から道民に親しまれて来ました。百年以上の年月を経ても、その精神は今でもしっかり受け継がれています。地域づくりを頑張っている人の輝かしい姿をより早くお届けるように、39°北は北海道の津々浦々の快挙をまとめた「北辰のキセキ」が始まりました。「地域タイムズ」より短くなりますが、もっと詳しく取り上げたい話題が有れば遠慮なくメールメッセージツイッターでお知らせ下さい。

今回の写真と資料提供は、岩村克詔八雲町長、漁業プロデューサーの舘岡志保さん、鴛泊地区養殖昆布部会の神成誠副部会長と、花川北1条1丁目SC町内会の伊藤浩樹前会長です。ありがとうございました。
北辰は北海道のシンボル

北辰のキセキ記事アーカイブ

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3月28日北辰のキセキ

北辰のキセキ@3月28日: ニセコ町・小樽市

ニセコ高校の生徒たちは町花「ラベンダー」を新しい観光資源にすることをために、研究活動を行い、彼らが育てた花はニセコ蒸溜所の手でクラフトジンとかわった。ホタテ漁の先進地として知られる小樽市は、名産をさらにおいしく食べらさるコラボワインが発売。

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3月14日北辰のキセキ

北辰のキセキ@3月14日: 当麻町・ニセコ町・平取町・八雲町・帯広市

当麻町は23回北海道広報コンクールに入賞。第12回ニセコカップGS大会は、ニセコモイワスキーリゾートで開催。平取町二風谷民芸組合はアイヌ文化を身近に感じオンラインツアーを企画。ゲストハウスSENTOはお手伝いさんを募集。ベンチャー企業そらは、ふく井ホテルの経営を引き継ぐ。

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