自然と人工物が織りなす絶景@ひがし北海道

令和4年1月13日

連日の厳寒は、上士幌町の糠平湖にまるで時が止まっているかのような「アイスバブル」という、湖底から湧き出すガスが浮かび上がる途中で凍結する幻想的な光景を作り出した

場所

上士幌町糠平湖

期間

1月13日

糠平湖のアイスバブル
糠平湖のアイスバブル

写真提供: 川村伸司さん

連日の厳寒は、上士幌町の糠平湖に幻想的な光景を作り出した。分厚い氷で覆われたピカピカの湖面から、暗く深い湖底まで、無数の白い気泡がまるで時が止まっているかのようにぱたりと凍ってしまいます。これは「アイスバブル」という、湖底から湧き出すガスが浮かび上がる途中で凍結する厳冬しか見られない自然の芸術です。

そもそも糠平湖の水はなぜ炭酸飲料のようにガスが湧き上がるのか。このガスの正体実は無酸素状態の湖底に沈んだ、樹木や枯れた葉などの有機物質が微生物による分解する際に発生する「メタンガス」です。

落ち葉はどんな湖でもありますが、糠平湖はダムによって形成された人造湖で、湛水された前に森林がここに広がって、林業が盛んで数々の集落と産出する木材の輸送を担った国鉄士幌線がありました。昭和30年十勝糠平系電源一貫開発計画の一環で糠平ダムが建設すると、集落と線路が別の場所に新築されましたが、森林は切り株の形で残され、メタンガス発生源の一つとありました。

ちなみに、旧国鉄士幌線の施設も糠平湖の中に残され、糠平湖は道東の重要な電源で、湖面が凍結した冬でも発電が止まりませんので、水位が下がり「タウシュベツ川橋梁」の姿が現れます。水没したり凍結したりことで、橋梁は通常の50倍ほどの速さで年を取ります。単純に計算すれば、なんと築3000年の古代ローマ建造物と同等の状態です!また、湖面の氷と湖底の切り株がぶつかると、氷面を突き破り、切り株の上に傘の形の氷が乗っているような「きのこ氷」も出現し、自然と人工物が織りなす風景が作り出します。

糠平湖ギャラリー

写真提供: 五十嵐豊さんと松岡篤寛さん

アイスバブルの見ごろは短く、氷が1回溶けたら、再度凍ると濁るので見られないこともあります。近いうちに糠平湖を訪ねて冬にしか見られない不思議な景色を満喫したいですね。ガス湧出スポットの付近では凍った湖面が薄くなったり穴が開くことがあります、発見したガス穴には竹竿や表示で注意喚起を呼び掛けておりますが、不安な方にはひがし大雪自然ガイドセンターのガイドツアーがおすすめです。

冬にしか見られない不思議な景色
冬にしか見られない不思議な景色

写真提供: 松岡篤寛さん

川村さんのYouTubeチャンネル

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