カインの末裔、生れ出づる悩み、或る女などの名作で作家として名を成し、そのうえ北海道における美術同好会を結成し、近代絵画の先駆者として後進に大きな影響を与えた有島武郎は、ニセコ町(当時は狩太村)に農場を持っていました。
大正11年、有島武郎は、土地を全員で共有して農業を続けることを条件に、農場を全小作人たちに無償で解放し、相互扶助の精神で末長く共生していける仕組みを志向しました。戦後の農地改革で農団が解散しましたが、小作人は温情を顕彰するため有島謝恩会を結成し、さらに生誕百年を記念してニセコ町により有島武郎の人、作品と所有した農場の足跡を保存紹介している有島記念館をリニューアルオープンしました。