あびら川ニュース

酒造クロニクル

春の恵みとお酒の始まり「籾まき」

あびら川ニュース・令和4年4月24日

麦や蕎麦、芋など様々な原料が用いられる焼酎とは違って、お米は日本酒の唯一の原料です。いろいろな草木が芽吹いた4月になると、日本列島では「桜前線」とともに、「田植え前線」も温かい地域から順番に北上し、新酒の基になる酒造好適米「彗星」を育てる「あびら地酒生産プロジェクト」は、変わりやすい環境と向き合いながら、一年の田んぼ作業を始まります。

育苗器
種籾を選別、消毒してから育苗器に入れます
鉄道のような器具
土を乗せすぎないように、小さな鉄道のような不思議な器具を使います
苗づくり
1ヶ月をかけて田植え用の苗を育てていきます
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水分、酸素と温度にしっかり気を付けないと、種がうまく発芽しなかったり、土の中で腐っていたりすることもありますので、届いた種籾を直接に田んぼに植えるではなく、先ずは塩水または薬剤に入れて、上に浮いたものは中身が入っていないということで捨て、沈んでいるものを選び、病気にならないように消毒してから育苗器に入れる「籾まき」作業を行います。

籾をまいたらその上に見え隠れするぐらいうすく土を乗せます。乗せすぎてしまうと日光に当たれなく、芽がでなかったすることがあるため、一年に一度しか登場しない、小さな鉄道のような不思議な器具を使って、蓄積したノウハウを頼んで慎重に行います。
あびら川の田んぼ
あびら地酒生産プロジェクトが使用する酒造好適米彗星は、阿部さんの田んぼで育ったものです
16ヘクタール(東京ドーム3.5個分)もある田んぼの籾まき作業は5日をかかります

その後、育苗器は昼間の気温が20°Cを越えるビニールハウスに並べて、苗を約15センチメンタル位に伸びたら田んぼに植えます。健康な苗を育てれば、米作りの半分が成功したのと同じ、その年のお米の収穫の半分を決めると言われ、安平町では、5月中頃に田植えをするのが例年の習わしです。

近年では気温が上がる傾向があり、強い日差しや蒸し暑い気候の中で働く農家きつい日々が増える一方、気温が高い昨年はお米には良いみたいで、いいお米の下で今年のお酒はとても出来が良く、来年も美味しいあびら川が出来ますように祈りながら、あびら地酒生産プロジェクトのメンバーは田植えに臨みます。

お酒ができるまでのこだわりを発見することで、故郷が生んだ生粋の地酒の魅力をストレートに伝わるため、39°北は「あびら地酒生産プロジェクト」と協力し、一粒一粒の籾といういのちに対して向き合い、日本酒の香りや味わいをもたらす酒米を育つ彼らの軌跡を紹介します。

安平町について

米作りを極めた農家の情熱で地酒の香りが蘇った安平町は、町を良くしたい想いをカタチにした実績が数多くあります。今こそ「安平町といえばチーズの町」として定着しましたが、この北海道ではじめてチーズ工場が誕生した地実は昭和60年ごろ、工場移転のためチーズ生産がストップしまいました。でも町内の酪農家、畑作農家など夢見る民が集まり、工場移転からわずか5年後「夢民舎」は誕生し、チーズの町として返り咲きました。北海道胆振東部地震復興事業の一環として、町民の挑戦を応援するクラウドファンディングイベントも始まりました。

田園の魅力と心身の癒しが注目を浴びている時代では、大都市や空の玄関である新千歳空港に近いながらも、安全でおいしい、付加価値の高い農業や自然環境と調和した産業を抱える安平町が北海道、そして日本の食や文化を発信する拠点になることが期待できます。
39°北は、北海道を愛するすべての方と、数多くの自治体や団体に繋がっていただけるような総合地域振興情報サイトです。道内各地の地方創生ビジョンとその実現に向けた取組みや、地元で活躍している人々のものがたりをピックアップしていますので、取り上げたい話題が有れば遠慮なくメール、メッセージやツイッターでお知らせ下さい。
このローカルプレイヤー特集の写真と資料提供は、あびら地酒生産プロジェクトのメンバーと、及川秀一郎安平町長です。ありがとうございました。
安平町

地域タイムズ@安平町

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あびら川についてのお問い合わせは、あびら地酒生産プロジェクトまでお願いします。