持続可能な観光@ニセコ町

令和4年1月26日

最も訪れたい村として選ばれたニセコ町では、自然を保全活用しながら、基幹産業を振興する Win-Win な関係を柱とし、行政、事業者と町民が一緒に積極的に取り組んでおり、22日に「ニセコ町持続可能な観光フォーラム」が開催しました

場所

ニセコ町民センター

期間

1月22日

ニセコ町持続可能な観光フォーラム
ニセコ町持続可能な観光フォーラム

写真提供: 片山ニセコ町長

国連世界観光機関による初回の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ(最も訪れたい村)」として選ばれたニセコ町では、のどかで豊かな自然の風景を保全活用しながら、農業と観光業という基幹産業を振興する Win-Win な関係を柱とし、訪れた人を気持ちよくするだけでなく、この町に住む人の心も豊かにすることに向けて行政、事業者と町民が一緒に積極的に取り組んでおり、22日に「ニセコ町持続可能な観光フォーラム」が開催しました。

ニセコ町民センターにて行ったフォーラムは、初代観光庁長官で現UNWTO駐日事務所代表の本保芳明さんをお招きし、これから観光のあり方についての基調講演をおこなって、かまいしDMC、小樽商大やニセコ町役場など国内のサスティナビリティのトップランナーたちによる実践報告とパネル討論も展開しました。

子どもにやさしいまちづくり実践自治体であるニセコ町にふさわしく、ニセコ高校4年生もフォーラムに登壇し、昨年9と10月観光リゾートコースの生徒が授業の一環として参加した「10年後、ニセコ町をどんな観光地にしたいか」ワークショップの結果を基づいて、訪れる観光客、住んでいる自分たちと観光関連で働く住民という3つの立場で、木を切り倒さない開発、観光客と住民も利用しやすい幅広い価格帯のお店が増えることや、通年で働くことが出来て収入が安定し、お金持ち以外も住みやすいまちづくりなど、持続可能な観光の本質にせまる提言をしました。

明治37年の鉄道開通のきっかけに、列車の乗客に対し羊蹄山登山と温泉を組み合わせて地域の魅力を訴えた河合篤叙率いる蝦夷富士登山会の活動から始めたニセコエリアの観光史は、もうすぐ120周年を迎えます。小さな山岳デスティネーションから、通年で楽しめる国際リゾート地に躍進を遂げたニセコ町は、観光を取り巻く環境が大きく変わっている時代でも伝統と環境を守りつつ、経済成長も確保するため、独特な仕組みを次々と作り出しました。

2週間ほど滞在するオーストラリアなどの外国人旅行者が急増したことを受けて、長期滞在に耐えられるサービスの質や規模を備えたリゾートの新規開発が加速するところ、森林、農地や景観への影響を抑えるため、一定の規模以上の開発行為には住民説明会の開催による地元の住民との合意形成が義務づけられた「情報共有」と「住民参加」を重視したニセコ町まちづくり基本条例が定めました。行政の最上位計画である「第 5 次ニセコ町総合計画」の最初にも、グランドデザインを作ることが目的として明記されているとおり、 長期にわたる開発計画の必要性についてははっきり理解しています。
上質なパウダースノーが舞い降りるところとして有名なニセコ町は、踏み固められてしまうゲレンデの雪では満足できない、圧雪されていないフワフワした状態の斜面を滑りたいという「バックカントリースキー」の需要も生じました。しかし、圧雪されていない新雪は安定していない、なだれの恐れがありますので、日本ではこれを認めるスキー場がほとんどなかった、スキーヤーとパトロールの追いかけっこが多発していました。ところで、ニセコ在住の新谷暁生さんが中心となって地元住民は、「滑走の自由を尊重する」という姿勢を掲げながら、現実的な方法で安全を確保する仕組みを作り定着させてきた。それは、「ニセコルール」です。ゲレンデの境界に張り巡らせてあるロープを設けるものの、ロープの途中にゲートが数カ所設けられており、天候などを踏まえながら新谷さんを含む地元住民が長年の経験に基づいて危険が予測される場合だけに、ゲートを閉めて、ウェブサイトで予測情報を発信し、ゲートの出入りのルールを守るようスキーヤーに協力をお願いして、最低限の規制を設けた日本で初めてのコース外滑走に関わるローカルルールとなりました。

ニセコ町持続可能な観光フォーラムギャラリー

写真提供: 片山ニセコ町長と松本卓也さん

豊かな自然や自然のなかでの体験があるこそ、目的地として選ばれることから、二セコ町内の観光事業者の約9割が「持続可能な取組を重要」と認識し、観光客、住民や行政と一緒に地域産物の活用、食品ロスの削減やゼロ・エミッション宿泊施設の整備などを通じて、環境への負荷を減らしてSDGsへの貢献しています。まだ様々な課題がありますが、 サスティナビリティ意識が高く、未来の担い手である子どもたちも活発に町の目指したい姿を提言するニセコ町は、新たな時代を切り拓くさきがけになりつつです。

ニセコ町持続可能な観光への歩み
ニセコ町持続可能な観光への歩み

写真提供: 松本卓也さん

ニセコ町のウェブページ

ニセコ町は「ニセコ町持続可能な観光フォーラム」で配付された資料がウェブページに公開されました。ぜひご覧ください。

ニセコ町記事アーカイブ

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3月28日北辰のキセキ

北辰のキセキ@3月28日: ニセコ町・小樽市

ニセコ高校の生徒たちは町花「ラベンダー」を新しい観光資源にすることをために、研究活動を行い、彼らが育てた花はニセコ蒸溜所の手でクラフトジンとかわった。ホタテ漁の先進地として知られる小樽市は、名産をさらにおいしく食べらさるコラボワインが発売。

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3月14日北辰のキセキ

北辰のキセキ@3月14日: 当麻町・ニセコ町・平取町・八雲町・帯広市

当麻町は23回北海道広報コンクールに入賞。第12回ニセコカップGS大会は、ニセコモイワスキーリゾートで開催。平取町二風谷民芸組合はアイヌ文化を身近に感じオンラインツアーを企画。ゲストハウスSENTOはお手伝いさんを募集。ベンチャー企業そらは、ふく井ホテルの経営を引き継ぐ。

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